きっと、明日も君がすき。
「っ…おい…おい!」
ゆさゆさと、揺さぶられて、ハッと顔を上げた。
「う…あ!」
顔を上げれば、目の前に結真君。
目を見開いて時計を見れば、
いつもの結真君が来る時間で。
私…寝てたんだ・・・・!
時間無駄にした・・・・!
結局こうなるのかと落ち込む私に、向かい側のいつもの席にカバンをおいた結真君。
「勉強じゃなくて昼寝…」
呆れた言葉に、ううっと思う。
「…あの」
「顔。跡ついてる」
ちらっと視線を向けられた後、私のほっぺた辺りを指差されて、反射的に手を当てれば、綺麗に線の感触。
ノートの跡だ…。
恥ずかしくて、
顔が熱くなるのがほっぺたに触れている手から感じる。
結真君はそんな私に構うことなく。私を通り過ぎて…
「やっと完成?」
キャンバスの前へと立った。
「あ…うん」
座ったまま、結真君の方へと体を向けて、同じように眺める。
「…………」
結真君の背中を眺めるけれど、特に何も言わずに絵を眺め続けていて。
そんなにまじまじと見られると、上手でもない私は恥ずかしくなる。
「これが、観えてる世界なんだ」
「え、」
ぽつり。結真君が落とした言葉は静かな美術室に響いて。
少し遅れて、私はうんと答えた。