きっと、明日も君がすき。



「私はね。だけど、他がね」




…知ってる。夏からほとんど部活の結真くんと一緒に帰る日は少なくなった。

一緒に帰るくらいしかしない。

できない私たちが周りから付き合ってるなんて思われるはずがない。

付き合ってるの?なんて直接聞かれることもあったけれど。



付き合ってると答えた所で私一人が勝手に言っていると思ったらしい。

結真くんの方に直接確認する、そんな勇気のある子はいなかったみたいで。




結真くんは何も言わないから、なおさら私が一人で勝手に言っているという噂は大きくなった。



それでも、私は構わないけど。

誰にも付き合ってると思われなくても。結真くんが付き合ってくれてるんだから。



本人は、公認なんだから。

別にいい。

…だけど。


「っ、」

「…志桜里?」



トントンと靴をはきながら、麗ちゃんが私に声をかけたのを耳で聞く。

ぐっと、目をつぶって。

開いたと同時にロッカーに手をかけたまま、振り向く。

「麗ちゃん、これから部活だよね」


「うん、そうだけど…」

首を傾げながら答えてくれる麗ちゃんにロッカーを僅かにあけて、靴を地面に置く。






「そっか、じゃあここまでだ。部活、頑張ってね!」

靴を履いて、笑顔で手を振れば。

「うん。志桜里も、気をつけて帰ってね」

笑顔で返してくれた麗ちゃんは、バイバイと先に体育館に向かって出て行く。

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