きっと、明日も君がすき。


じーんと膝にきた衝撃に顔が歪んでしまう。


でも、痛みなんか今はどうでもよくて。

そのまま睨みあげれば、ひるんだように掴んだ子が一歩下がった。

「…お前が嘘つくからだろ!自業自得じゃん」


「友達が傷ついて辛い気持ち分かった?」




「こっちだって今のお前と同じ気持ちになってたんだよ!」


何、それ。

「……麗ちゃん?は優しいね。何も言わなかったんだ。教えてあげたのに。”あの子の狂言止めさせないと、試合出れなくなっちゃうよ”って」



脅し足りなかったか…と笑う。この人たちは、本当に人間?胃が、気持ち悪い。




「あんたも友達の最後、邪魔したくないでしょ?」

「麗ちゃんが大事なら、もうふざけたことすんな」


「―――お前が誰かにチクったら、どうなるかなんて、分かるよな?」



……気持ち悪い。ぐらぐらと何かがせりあがってくるのに耐えられず。

通せんぼ状態の子たちを押しどけて走った。

背中からは、気持ちの悪い笑い声が聞こえた。




「うっ…コホッ…コホッ……」






ひんやりとしたトイレに入って、便器に顔を向けるけど出てくるのは空咳と唾液だけで。


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