絶対やせて貰います。

彼が不機嫌な理由


「はあー?小岩井の家にお泊りだと?」

「カンナちゃん、声が大きいから……

遅い時間にお邪魔したから旭君のお父さんが『泊まって行きなさい』って言って下さったの

妹のひかるちゃんの部屋で一緒に寝かせて貰ったし、誤解しないで」

日曜日の昨日、小岩井家で朝食を取った後に旭君と二人で買い出しに出掛けて、再び小岩井家にお邪魔した私は昼食の準備と一週間分の献立の下準備をマリアさんとひかるちゃんの三人でお喋りしながら楽しく作業を進めた。

「今週中にちゃんとしたレシピを持ってきます。

それからグリーンサラダ用の葉野菜だったり、いたみ易い豆腐は出来るだけ毎日買い足して下さいね」

その場でレポート用紙に走り書きした簡単なレシピをマリアさんに手渡しながらお願いする。

「こいちゃん明日は来れそう?」

和食を一人で作るのが今一つ不安なのか?

マリアさんはお願い来てーとばかりに甘えた表情を作るけど、直ぐに返事が出来なかった。

『こればっかりは私が勝手に決めれないし母の仕事の都合次第だからなぁー』

「マリアさん携帯番号を交換しましょう。

行けるにしてもダメでも連絡します、返事は明日になりますがいいですか?」

「ホント?嬉し~い」

マリアさんにまたもやギューとハグされた私。

さすがに二回目となると免疫も付いたのか、一回目よりは動揺する事も無く受け入れていた。

「こいちゃんはちっちゃくて可愛いわねー」

小さい子供がぬいぐるみをギューとするのと何ら変わりないような気がしなくもないが、小岩井家にお邪魔する度に愛玩具のような抱擁を覚悟しなければと思ったりした。


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