絶対やせて貰います。

「う~ん。何が問題なのかよく分からないな?」

堺さんの第一声に私は驚いてしまう。

共感して貰うとまではいかなくても、分からないと言われるとは思ってもみなかったからだ。

「こいこちゃんが一年前に恩返しがしたくて旭君のダイエットに協力したのは理解したけど、なんでダイエットに成功したら連絡を絶たないといけないの?」

「それは……旭君に彼女ができて、その人に私の存在を疎ましく思われたくないからです」

のんびりと疑問を投げかける堺さんに『どうして分かってくれないの?』とばかりに鼻息荒く畳み掛ける。

「もし私が彼女の立場なら絶対にそんな女友達の存在なんて絶対に嫌だと思うから……旭君だけでなく両親や妹とまで親しい女友達なんて目障りで仕方ない筈でしょ?」

そう私が彼女の立場ならそんな“女友達“が彼と一緒に居る所を目にするだけで胸が言いようのない嫉妬でドロドロと渦巻いてしまう気がする。

「こいこちゃんは旭君に告白しないの?」

堺さんの訊き方は『私が旭君を好き』ってことを断定した上で、さも当然の事のように『ところで、いつ告白するの?』って訊かれた気がした。

「どうして……」

唖然とした私が言葉に出来たのは4文字だけ。

どうして……そうなるの?




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