君のとなりで
九歩目

花火 side颯

ついに実結の三者面談の日がやって来た。

朝から3年生は補習で午後から三者面談だ。

最近の俺の心のうちは態度にも表れているようで、実結に悲しい顔をさせてしまった。

花火大会に行くと言っただけで子供みたいにはしゃいで喜ぶ実結。

そんな姿を見て俺はひどいことをしているなと痛感する。

補習の間もずっと実結のことが頭から離れない。

だって今日の朝だって普通に一緒に来たんだ。

それが明日からなくなるなんて考えられない。

「颯!終わったぜ?何ボーッとしてんだよ!」

気がつくと補習は終わっていて、教室には俺と昂しかいなかった。

そういえばこいつにも言っとかないとな…

「なんだよ、つまんなさそうな顔しちゃって。今日実結ちゃんと花火大会行くんだろ?」

「昂、話ある。」

こいつとは付き合い長いけど、こんなに真剣に話すの初めてだ。

「なんだよ、改まって…気持ちわりいなー!」

明るく笑う昂。


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