君のとなりで

焦燥感 side実結

目を開けるとそこには真っ白い天井が広がっていた。

喉が妬けるように熱くて、頭がくらくらして、目の前に黒と紫のもやがかかる。

体はぐったりと重くて、頭がガンガンなり始めた。

「実結?大丈夫?」

「さ、きちゃん…」

顔は見えないけど、声でわかる。

「大丈夫?実結ちゃん!」

この声は、昂君だ…

「なんであたし…」

鼻をさす薬の匂いと固い枕の感触にここが保健室だってことがわかった。

「熱中症と睡眠不足、あと栄養不足から来る過労ね。」

保健の先生がおでこに冷却シートを貼ってくれながら言った。

「最近ちゃんと食べて寝てる?顔色も悪いし、隈もあるわよ。」

そういえばここのところ、毎日明け方近くまで勉強したりしてて、あんまり寝れていなかった。

というか勉強はするけど、眠れないんだ。

目をつぶったら颯のことばっかり思い出しちゃうんだもん。


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