君のとなりで
十六歩目

浮気!? side颯

いよいよあと3日で2月も終わる。

今日は自由登校の日。

バスケをしに公園にでも行こうと思っていたのに外はあいにくの雪。

こういう日は家でゆっくり過ごすのもいい。

荷造りとかしないといけないしな。

俺の部屋はもともとそんなに物もないし、荷造りっても寮だからあっちに家具とかはあるから大したものじゃないけど。

本棚を整理していると、一冊のアルバムが出てきた。

表紙には『颯、五歳~十五歳』って、まとめすぎだろ。

やっぱ兄貴との時とはアルバムの量とか違うんだよな。

別にいいけど。

開いてみると、まず目に飛び込んできたのは泣きじゃくる実結とそっぽを向く俺。

だけどその小さな手は繋がれていて。

それからその後の写真の中の俺の隣にはだいたい実結がいた。

笑ってる実結、頬を膨らまして怒る実結、目を潤ませて泣いてる実結。

いろんな実結の横で俺は笑ったり、照れてたり、妬いてたり。

最後のページに貼られていた写真に、俺は思わず自分の目を疑った。

なんだ!?これ!

そこに写っていたのは、眠っている実結の頬にキスをしている、まぎれもない俺の姿。

年齢は多分、幼稚園に上がる前くらい。

だから、三、四歳か?

こんなの、絶対に誰にも見せられない。

つうか、なんてことしてんだよ!

ガキのくせに、今よりもませてんじゃねえか!

母さんもなんてもの撮ってくれてんだ!

だけど更に俺を打ちかました衝撃。

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