【完】卒業。~私に優しさの処方箋をくれた人~



志麻は、私と話してくれる時ずっと私の胸元に抱きかかえてあるサブバッグを見てた。


「ほら。持ったるよ。貸して。」

「え…?でも重いよ!」

いいから、大丈夫だって。と手を差し出す志麻。

私は、サブバッグを彼に預けた。


片手で持って、よく見たら車道側に居てくれる志麻。


笑いながら話をしてくれる志麻。

「ねぇ、そのサブバッグ重くない?」

「重いよぉ!重いわ!笑 
普段持たんし、こんなん。笑」


優しすぎて、君の笑顔が眩しすぎて。


どうすればいいか分からない。


失恋、という名の傷痕に塩を塗り込む訳じゃなくて、優しさの処方箋をくれる志麻に涙が出るかと思った。


何してんの、私!
志麻はただの幼馴染って思ってるんだよ。

それに…この人には彼女さんが居るでしょう?




叶わない恋。


してるんじゃないよ。
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