【完】卒業。~私に優しさの処方箋をくれた人~
「志麻…」
志麻は、びっくりしたような顔をして私に話しかけた。
「えっ、お前何でこっちから帰っとん?」
方言じゃないけど、少し個性的な話し方の志麻。
それにつられる私も変な話し方になった。
「いや、まぁ、うん。色々あるんだわ!笑
先輩とか会う確率高いし、こわいじゃん」
だわ、って何だよって志麻は笑う。
私は少し嬉しくて前を歩いてた志麻に走って追いついた。
かばんの重さも忘れて。
「志麻こそ、なんでこっちから帰っとん?」
「ん?今日は友達が塾で居ないからさ」
火曜と木曜はこっち、と付け加える志麻。
「へぇ。じゃあさじゃあさ!火曜こっちから帰っとけば良かった(笑)」
「なんで?笑」
「志麻と帰れてたかもしれんじゃん笑」
「意味分からんし(笑)」
だって、私いっつも1人で帰ってたから。
寂しいんだよ、弱虫なんだよ。