【完】卒業。~私に優しさの処方箋をくれた人~
「そっか、…頑張れ!!」
「おう!ありがと笑
てか、お前ちっちゃいな(笑)」
そう言って君は私を馬鹿にする。
「なっ!でも背伸びたんだよ?!」
「ごめんな、俺も伸びた」
ケラケラ笑いながら君は言う。
「155cmは欲しいなぁ…」
「はー?無理っしょ(笑)」
なんて、馬鹿にされても何だか楽しい
無理じゃない!って言い合いながらずっと長い一本道を歩いてた。
君との時間はあっという間で。
すぐに横断歩道に着いちゃったんだ。
「ほら。ここからは頑張って持てよ?笑」
言わなきゃ、ちゃんと”ありがとう”って
本当はまだお別れしたくない。
寂しくて震える拳を握ってサブバッグを受け取った。
「うん、頑張る(笑)ほんっとうにありがと!
何かさ、やっぱすごい優しいよ!どうしたん?笑笑
さすが先輩っす!笑
大人の余裕!笑」
余計な事まで言って興味を引きたかった…。
「やめろ、そういう事言うの!笑
先輩とか言うなよ。
優しいとか、いいから(笑)」
じゃあな、と手を振って志麻は横断歩道と反対方向にある坂道を下っていく
走りながらも時々私を振り返っては最後まで手を振る志麻。