【完】卒業。~私に優しさの処方箋をくれた人~
「ありがとーーー!!
ばいばーーーい!!」
私は志麻の背中が見えなくなるまで手を振ってありがとう、と叫び続けた。
志麻は遠くから見たから曖昧だけど、
笑いながら手を振ってくれていた気がする。
「ばいばい。」
最後にぽつりと呟いて私は横断歩道を渡った。
君の優しさが、私の頭を支配して。
テスト勉強も集中できなかった。
もしかして、私…。
志麻を好きになってしまったのかな。
優しさが脳内を甘く染め尽くす。
私の傷痕が…ゆっくりと埋まっていく。