兄貴がイケメンすぎる件


「きゃあ~!!」




「!!」



突然、背後から女子生徒達の悲鳴にも似た声が、耳をつんざいた。


え、なになになに!?


その声にあたしが思わず目を丸くしていると、隣にいる美桜が言う。




「あ、ほら、噂をすれば翔太くん!」



そう言って、美桜はあたしの肩をぽんぽんと叩いて、翔太くんとやらを指差した。

…本当に?そんなにイケメンなの?

そう思って振り向いた時、生徒玄関に入ってくる早月翔太が初めてあたしの視界に入った。



「!」



…カッコイイ、





と、いうか、可愛い?




「みんなおはよー」




彼はそう言うと、そこにいる女子生徒達に向かってニッコリ微笑んで、愛嬌を振り撒く。




…あぁ、悪いけど、ちょっとあたしの苦手なタイプかもなぁ。



一目見た瞬間、そう思った。



< 12 / 386 >

この作品をシェア

pagetop