兄貴がイケメンすぎる件



独りそんなことを考えていたら、不意に何やら視線を感じて隣を見てみた。




「…?」




すると、そこには壁に寄りかかりながらあたしに身体を向けて座る早月くんの姿があって…

それだけならまだ許せるかもしれないけど、奴はスマホをあたしに向けて構えていた。



っ、これってもしかして…!




「ちょっと!撮ろうとしてるでしょ!!」




思わず席から立ち上がってそいつのスマホを掴んでやれば、そいつは「あ~…」と残念そうな声を出す。

そして、キッと睨みつけるあたしに早月くんが言った。




「…撮ろうとしたんじゃないもん」




そう言って、拗ねたような顔をして、また一言つけ加えた。




「…動画撮ってただけだもん」




はぁっ!?動画!?




「誰の、」

「もちろん、世奈ちゃんの」




いや、余計悪いよ!!

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