兄貴がイケメンすぎる件
「は!?」
え、いや、ちょっと、いきなり何言い出すの、この兄貴!?
そんな兄貴の言葉に、あたしは思わず椅子から立ち上がって言った。
「やだ!兄貴、あたし一人で帰れるよ!」
だけどそんなあたしの言葉に構わずに、兄貴は健に言う。
「俺まだ仕事が残っとって終わりそうにないねん。世奈をこんな暗いなか一人で歩かせたくないやんか」
兄貴は健にそう言うけど、健は少し気まずそうにあたしを見た。
あぁ、嫌なんだ。あたしと帰るのが。
あたしだって嫌ですよーだ!
「や、でも、勇斗くん俺…」
健は若干嫌そうな顔をして何かを言いかけたけど、どうしてもあたしを送ってほしいらしい兄貴は、
何やら今度はあたしに聞こえないような小さな声で、健に言った。
「…?」
「お前さ、そのままでええわけがないやん!」
「え、」
「世奈、彼氏にフラれて今フリーやねんぞ。せやったらお前、今がチャンスなんちゃうの、」
「いや…だからってそんな突然、」
「アホか!お前な、俺が何のために今日お前をここに呼んだ、思てんねん。
ええから、男やったらビシッと決めてこい、」
兄貴はそう言うと、健の肩をバシン、と叩いた。