心も体も、寒いなら抱いてやる
花蓮は半開きの口をどうにか閉じて冷蔵庫に走り、「じゃあ乾杯しよう」とノンアルコール系のドリンクの缶を10本も抱えてきた。

ノンアルコールで酔いが回るわけはないのだけど、花蓮が言った通り一つ隠し事が消えたのと、俊と太一の仲が戻って安心したのと、4人での焼肉の宴が楽しかったのとで、みのりはまるでほろ酔いのように気持ちが弾んだ。

再会した時とは別人のように、俊にもともとの顔が戻っている。
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