心も体も、寒いなら抱いてやる
「私ね、俊がそのチョコレートをいつまでたっても食べないから、いらないのかと思って食べちゃったの。そしたら俊、すごい怒っちゃって。それこそ涙浮かべながら怒ったのよ。だからチョコぐらい買って返すわよって逆切れしたらよけいに怒って、それはみのりからもらったチョコなんだ!って」

そこで花蓮はその時の俊を思い返して、ふふっと笑った。

「みのりはね、俊の初恋の人なのよ」

「まじ……?」

「みのりはタンポポみたいなんだって、小学生の頃よく自慢してた。俊はね、タンポポの花が大好きなの」

強い風が吹き、花蓮の長い髪が舞い上がる。

「じゃあさ、俺も告白する。おれの初恋は花蓮さん」

「え?」と開きかけた唇を、太一が唇でふさいだ。


―――完―――
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