臆病者の鬼遊び



頑張って、愛されている自分を、想像してみる。


(でも、覚えていない……)
 

物心、付くか付かないかという歳だった。


とはいえ、どうしてここまで両親の事を覚えていないのだろう。


両親の事となると、頭の中にもやがかかったようになるのが、不可解でたまらなかった。
 

しかし、無理矢理にでも思い出そうとすると、不意に何かが胸の奥でつかえる。
 

焦るようで……ひやりとした、痛み――恐怖。


(私は、役立たず……)
 

倫太郎の言葉は、正当なものだった。
 

だけど、どうしても彼に従いたくなかった。
 

勝手なのは分かっている。


けれども、本能が、使命を拒む……。



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