LOZELO



「タメだし、格好とかも似てるしーって言ってて、なんかすごいなーって思ってたんだ。しかも症状とかも結構似てるんだって」

「なんか、ぞくっとするね」

「似てないのは性格くらいかなーって。杏子はこんな感じでガチャガチャしてるけど、紗菜ちゃんはおとなしくて真面目な子だって、神崎先生が言ってた」

「神崎先生が?あの人いっつも私のことからかって遊んでるくせに、おとなしくて真面目な子なんて思ってる対応されたことないよー」

「わかるー!いっつもテキトーだしさぁ。雑誌とか読んでると、覗き込んできて何それとか聞いてくるしー。お父さんみたい」

「だよね!典型的な父親みたいな感じする!ま、嫌いじゃないけど」

「なんか憎めないんだよねー。ほんとちゃっかりしてるわ」


神崎先生トークで盛り上がっていると本当に神崎先生が現れて、思わず叫んだら、杏子ちゃんの声と私の声がシンクロした。


「お、今日は双子が一緒にいるよ、江口君」

「すごい、やっぱり似てる」


杏子ちゃんと目を合わせると、なんだか可笑しくて笑いが止まらなくなった。


「神崎先生、今杏子たちの話聞いてた?」

「え?全然聞いてなかったよ。何、俺の悪口言ってただろ?」

「えーすごーい!何でわかったのー?」


わざとらしく言う杏子ちゃんに、本気になって対応するあたり、神崎先生らしい。
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