LOZELO
「みんなが紗菜のこと嫌いになっても、私はずっと一緒にいるから」
嘘を言っているとは思えないし、本当はずっと今まで、莉乃を信じたかった。
一人になってしまうのが怖くて。誰の言葉も信じられなかった。
だから、莉乃の中の私の存在の大きさに驚いた。
「…ありがとう、莉乃」
私まで涙が出てきて、二人で泣いた。
今まで消えなかった見えない壁を溶かすように、二人で。
気が済むまで泣いて、なんか可笑しくなって笑って。
莉乃の前で自然と笑ったのは、すごく久しぶりだと思った。
「そういえば、調子はどうなの?」
まだまだ知識は浅いけれど、わかる範囲で病気の説明をしたら、莉乃は突然、部屋に戻ろう!と立ち上がる。
「戻って、横になって話しよう」
「そんなに神経質にならなくても大丈夫だよー。点滴繋がってるだけで、元気元気」
「またそうやって無理するー。ほら、早くっ」
莉乃の気遣いに素直に甘えるのは、慣れないけれどすごく、暖かいことだと知った。