あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
「……もう、わけわかんね」
人の気配が消えた扉に額をつけ、目を乱暴に擦った。
分厚いカーテンで覆われている大きな窓は、外からの光すらも拒む。拒んで、そのまま遮断できていたなら良かったのに。
「―――!―――!」
それでも、流れ込んでくるヒカリ。
「ちーちゃん!ずっと待ってるからねえ!」
「明日学校サボったら生徒会長に推しとくぞー!いいのかー!」
再び耳を塞いでも、塞ぎきれない温もりと目映さ。
「千秋、待ってるからな!」
「ちーあーきー!千秋が居ないと寂しいよー!」
「藤川千秋ぃ!出てこーい!」
放っておいてくれたらいいのに。もう俺に構わないで欲しいのに。
「っ゙……うぅ…」
筋力の衰えた脚を引き摺って窓際に寄った。
そして、隙間から見える眩しいもの。微妙なバランスを保つ天秤の上で、俺がギリギリ踏みとどまれていたのは、きっと。