あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
 
(しんどいな)


受け取った年賀状に目を通しながら、何もない冷えた床に尻を落とした。文字からでも伝わる優しい気持ち。心配だと訴えてくる想い。聖達は、ずっと俺を見捨てないでいてくれた。

代わる代わるに家を訪ねて来てくれて、電話をして来てくれて。


「……不細工すぎだろ」


今年の干支のイラスト入り年賀状。その差出人の名前を見て、少しだけ心が凪ぐ。この時の俺を支えてくれていたのは、母さんでも誰でもなく、友人たち。そして、なにより美菜の存在だった。

〝親の勝手で傷付けられた子供〟美菜も、そんな風に同じ立場で傷付けられている側の人間だと思っていたから。

想いは歪んで募り、想いは歪んで弾ける。

俺は一人じゃない。聖や幸次、早紀に綾がいる。美菜がいる。今は遠ざけているけれど、いつかは母さんだって――。



それもまた、幻だったのにね?
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