あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─


「わー!やっぱりここは空が高い」


都会の埃っぽい匂いだとか、濃い排気ガスの匂いだとか、そんなものの一切ない世界。見渡す限りの緑と青、時々白。

背筋をピンと伸ばし、両手を大きく広げて深呼吸をした。空気が美味しいだなんて台詞は、千社(ここ)以外ではなかなか言えない。


「変わらねえな」
「ほんと!千社はずうっと千社だ」


これが私達の故郷。生まれ育った大好きな村。


「お婆ちゃんのお墓参り、行かなきゃね?」
「ん、そうだな」


それぞれの想いを乗せて過ごしてきた村。掛け替えのない瞬間を共に過ごした季節。春も、夏も、秋も、冬も、そしてこの〝夏〟も。

きっと、ずっと、掛け替えのない想い出として残るのだろう。
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