あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
≪4≫ 白昼夢


『ちーちゃ……苦し…』


階段から突き落とされたような、全身が粉々に砕けてしまったような、そんな衝撃から目が覚めると見知らぬ天井が広がっていた。


「千秋、大丈夫か?」
「ひじ……り、」


ああ、そうか。


「悪い、ちょっと嫌な夢見てた」


昼間と通夜のことがあって臆病風に吹かれた俺は、聖の実家に厄介になっていたんだった。寝惚けていたとしても忘れるだなんて。どうかしてる。もうずっと。囚われて、逃げ出せないほどに。


「朝には幸次も来るしちゃんと睡眠取っときな?」
「……ん」


月明かりに浮かぶ聖の顔は穏やかで、優しくて、安心よりも何故か不安を搔き立てられた。聖は今、何を想っているのだろう。
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