あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
 
「っ、……いい加減にして下さい!幼い頃からの友人が二人も殺されたんですよ?!竜門さんのことだってそうだ。これ以上、俺達の気持ちを弄ばないで下さい!!」


聖の激昂した声でハッとした。

気が付けば俺と幸次は手を強引に引っ張られる形で森を抜けようとしている。〝慣れた〟者しか知らない最短距離で。


「……悪い、聖」
「いや。それより千秋は大丈夫か?凄い顔していたから、つい」


凄い顔、か。


「ホント、悪い」
「大丈夫なら良いんだ。とにかく、あの人は駄目だ。今日は引き返そう。幸次もそれでいいか?」
「お、おう、全然いい、よな?千秋」
「……ああ」


土が、草が、潰れる音がする。

聖が間に入ってくれなかったらと考えると背筋が震える思いだった。自分が怖い。綾と早紀が殺されて本気で反省したんだろう?

それなのに、俺は、なにを一番に考えた?
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