終わりかけの永遠に
歌詞は一行ずつ交代で書くことにした。

初めの行は明が書くことになった。


「ん。じゃあ一行目はこれな!」


ルーズリーフの一番上の行に書かれていたのは、

『暗闇の中で藻掻いてばかりで』

という言葉だった。


明のイメージとはあまりにも真逆なその節に、俺は驚いた。
暗闇の中で藻掻いてばかりで...『独りぼっちだと塞ぎ込んでいた』と書き、消しゴムを取った。

あまりにも後ろ向きで悲しい歌詞だと思ったから。
でも、俺が消そうとしたとき、明が俺の手を押さえた。


「これは俺らの曲なんだ。これが千歳の気持ちなら、この歌詞にしよう」


独りぼっちだと塞ぎ込んでいた。
それは確かに今までの俺だった。
いじめられてばかりで、助けてくれる人なんかいなくて。


「...うん」


俺はそのままその一節を残し、明に渡した。
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