終わりかけの永遠に
「...明は、ダメなんかじゃない。俺にとっては憧れの存在だったよ、ずっと」


俺がそう言うと、明は照れ臭そうに笑った。

そして、「この曲名、決めた」と、俺を見て言った。


「何にするの?」


そう俺が聞くと、明は「Lily」と答えた。


「Lilyって、確か百合って意味だよな?」

「あぁ。百合の花言葉は純粋、とか、陽気って意味らしいんだ。純粋な千歳と陽気って言われる俺。それと、これは品種によるんだけどさ、ある品種の百合の花言葉は、『あなたは偽れない』なんだってさ」

「あなたは偽れない...」


なんだか、すごく不思議な気分だった。
いいのか、悪いのか、よく分からない。


「...お互いの前では、カッコ悪いところも見せていこう。強がりばっかじゃ、俺も千歳も、疲れるからな」


...そういう意味で言ったんだ...。
少しだけ、気持ちが楽になる。

明は、自分がダメな奴だと思い詰めていても、気丈に振る舞っていた。
でも、今日初めて、俺は明の悩みや辛さを知った。

俺も、明に話そう。
今までの辛かったことや苦しかったことを。
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