心の中の彼

互いのお墓参り

お墓参りに行く支度をして私は公園に向かった。

「かずきゴメン待ったでしょ」

「美香を待つの慣れたわアハハ」

と話ながら車に乗りお墓に向かった。

お墓に向かう途中

「美香今月末にかみさんと離婚するから」

私は驚いて無言だった。

「離婚したら独身だ俺アハハ
そしたら堂々とデートしような
色んな所に連れて行ってやるから美香を」

「うん有り難う」

「そんな暗い顔してるとお墓の彼に俺が怒鳴られるわアハハ」

「たくかずきはいつもそうやっていじめるんだから」

「美香いじめるの楽しいからなアハハ」

「もう知らないから」

と外をずっと見てた。

「美香」

と呼ばれ振り向くと信号待ちでいきなりキスされた。

「お墓に着いたら出来ないからアハハ」

私は真っ赤になりうつむいた。

「本当美香はおもろいや」

「信号待ちでキスするからでしょかずが」

「キスしたくなったんだからしゃーない」

たわいのない会話しながらお墓に着いた。

私はかずきをお墓に案内した。

「ここだよ彼のお墓」

「美香この箱は何」

「これは彼とつけてたペアーリング、天国でも忘れて欲しくなくてここに隠したの」

「美香は彼を凄く愛してるんだなでも俺も負けない位美香を幸せにするよ」

「かずき」

かずきは彼の小さなお墓に手を合わせて

「必ず幸せにしますから見守って下さい。
絶対手を離しませんから。」

私は涙が溢れた。

「彼の前で泣いちゃダメだろう」
「だってかずきが」

「俺が一番許しを得たいのはかずきさんなんだよ。
美香にとっての最愛の彼だから誓いたいの」

そう言うとかずきは手を合わせて目を閉じてしばらく黙祷してた。
それからお墓を掃除して帰ろうとしたら和尚さんに

「美香ちゃんじゃないの久しぶりだね、かずきくんも久しぶりね」
「和尚さんこの人かずきじゃないよ、似てる人」

「あっそうだったんだね、すみませんね余りにも似てるからついつい」

「僕はそんなに似てますか」

「えー錯覚する位に」

かずきは無言だった。

私は和尚さんに別れを告げ車に向かった。

「俺本当に似てるんだなかずきさんに」

「だから言ったでしょ全て似てるって」

「何かプレッシャー感じて来たわアハハ」

「何で」

「絶対美香を幸せにしなかったら許さないかずきさんに言われたから」

「えっかずきの声聞こえたの」

「そう言われた感じがした、手を合わせて目を閉じてる間」

「そうなんだね。
私には何も聞こえなかった」

「絶対幸せにするから美香」

「かずき有り難う」

「何が」

「一緒にお墓来てくれて」

「かずきさんに約束出来たし、
何か心のモヤモヤ消えたアハハ、
美香さぁやっぱりまだエッチはダメなのか」

私は真っ赤になり無言だった。

「無理には嫌だから俺も
ただかずきさんにも約束したから美香を抱いてもいいのかなぁとか考えた。
美香はまだ無理か」

「いやっ無理じゃないよ、
いきなりだから驚いてるだけ」

「今日は美香を抱いてもいい」

私はうなずくしか出来なかった。
それからかずきの車はホテルへと向かった。

ホテルの部屋で私は全く落ち着きがなかった。

「美香おいで」

かずきに手招きされてソファーに座った。

かずきの手が私の頬を包み優しいキスが何度も降りてきた。

「美香愛してるよ」

その言葉に涙が溢れた。

それからベッドに連れて行かれ彼に身を任せた。

「もう美香を離さない」

かずきに抱きしめられ涙は止まらなかった。

私の涙を指で優しくふいてくれた
「俺は美香の前から消えたりはしない、
美香を一人には絶対しないから
だから一緒に暮らそう」

私はかずきの胸にうずくまりながら泣きながら

「うん」

と返事をした。
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