病的に両価的

『菫』


君の欠伸の理由を知っている

外になんか興味がないのも
ずっと前から知っている

長椅子に横になって
猫のように伸びをして
きっとこれから眠るんでしょう

どんなに天気が良くたって
君の楽園は家の中

庭ではもう
小さな花が咲いているのに
それに気付くことすら
無いんでしょう

風の音
珈琲の香り
降り注ぐ陽光に照らされて

君はひとり夢の中

私はひとり

花を見る


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