身長差43センチのふたり。



タイミングの良すぎる電話に、初めてのことも相まって、私は誰もいない部屋をキョロキョロと見渡す。

う…、出ないと切れちゃう…っ!

そう思った瞬間、通知ボタンを押した。


「もっ、もしもし…!」

『あ、雛乃?』

「っ……!!」


電話越しに聞こえる優しくて穏やかな低い声に、私の心は一瞬でときめく。

高遠くんの声を聞くだけで、さっきまで抱えてた漠然とした不安も吹っ飛んだ。


『もしもし?おーいっ』

「えっ、あ…ひっ、雛乃です!」

『プッ…ククッ、知ってるよ。』

「あ、う…///」


電話の向こうから聞こえる高遠くんの笑い声。

距離は遠いはずなのに、私の元に届く高遠くんの声はいつもより近く感じた。



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