身長差43センチのふたり。
『じゃあ、もう一つお願いしてもいい?』
「えぇっ…!?」
更なるお願いに、私は戸惑う。
今度はいったい何だろう。
本当は断りたいところだけど、さっきのお願いで千尋くんに善処してもらったばかりだし、英語のテストも頑張ったご褒美だしと、小さくコクンと頷いた。
「な、何…?」
『雛乃の博多弁が聞きたい。』
「へっ…!?」
私の…博多弁!?
思ってもみない内容に目をパチクリとさせている私の目に、瞳をランランとさせている千尋くんが映っている。
そんな…大したものじゃないんだけどな…。それに、
「は、恥ずかしいよ…。」
羞恥心が半端じゃない。
博多弁バリバリの私はとても田舎っぺのようで、あまり好きな人の前では見せたくないのに。
『雛乃の博多弁可愛くて、俺は好きだけど?ダメ?』
「……っ、」
そこまで言われてしまったら、断りづらくなるじゃない。