身長差43センチのふたり。



「雛乃?ひーなーのっ?」


何度呼んでも、俺からぷいーっと顔を逸らし続ける俺の可愛いお姫様。

なにこの可愛いの。

何でこんな可愛くすねてんの?


「……こっちきて、」

『っ、』


何も言わない雛乃の手を取って、そばにあったカップルシートに向かい、雛乃を座らせた俺はその横に座った。

カップルシートに座っても、俺に拗ねている雛乃は顔を上げてくれない。

あーもう、もっとムードあるところで渡したかったのに…、仕方ない。

ご機嫌ナナメのお姫様をなだめるのは、王子様の仕事だろ?


「これ、なーんだ?」

『っ?』


俯いている雛乃の視界に入るように差し出したのは、鞄から取り出したブレスレット。

俺から雛乃へのクリスマスプレゼントだった。


『これ…って?』

「メリークリスマス、な?」

『……っ、』


やっと顔を上げてくれたお姫様は、それはそれは顔を熟したリンゴみたいに赤くしていて、可愛いったらありゃしない。



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