身長差43センチのふたり。
俺が差し出したブレスレットをじーっと見つめたまま固まっている雛乃に、俺は微笑みながら、雛乃の左手を掴む。
ジャラ…ッとブレスレットのハートのモチーフとチェーンが擦り合う音が響く中、雛乃の華奢な左手首にそのブレスレットを巻き付けた。
「これだったら、学校でも付けられるだろ?」
『っ……!!』
ポンポン、と雛乃の頭に手を置くと、千尋くん、と小さな声が耳に届いた。
俺を見上げる雛乃の瞳に、うっすらと涙が浮かんでいる。
飛び切りの笑顔を浮かべればいいのに、嬉しさのあまりに涙をこぼす雛乃は愛しくて。
「ありがとー…っ!」
『っ!?』
いつもは手を繋ぐだけで顔を赤くして照れるほど奥手なのに、こんな時に限って周りの目も気にせずに俺に抱き着いてくる彼女の小さな背中に手を回す。
安物のブレスレットなのに、一生大切にする、と耳元で言ってくれる雛乃を抱きしめながら、俺は幸せを噛みしめた。