身長差43センチのふたり。



――「クラス、離れなきゃいいね~っ」

『そうだな。』


なんとか待ち合わせ時間ギリギリに間に合った私は、いつものように千尋に守られながら満員電車に揺られて、学校へと続く一本道を千尋と並んで歩いていた。

話題は今日発表されるクラス分けに持ち切りだ。


「もう貼り出されとーかな?」

『まぁ、8時過ぎてるし、貼り出されてんじゃない?』


毎年クラス分けは校庭にある大きな掲示板に学年ごとに貼り出されることになってる。

それを見て生徒たちはそれぞれ自分の新クラスの教室に向かうわけだけど――…、


「あっ、本当やん!あの中から自分の名前探すの大変なんよね。」

『確かに、目が疲れる。』

「ふふっ」


学校の門をくぐった私たちは、そのまま掲示板がある校庭へと足を進めた。

掲示板の前に行くと、もうそこには多くの生徒でにぎわっていた。


『んー、あ、あった。』


誰よりも背が高い千尋は一発で自分の名前を見つけたらしい。

私はといえば…――


「みっ、見えないーっ!」


低身長が災いして、生徒たちの壁に憚られて全く見えない。



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