身長差43センチのふたり。



ファミレスに正味2時間ほど滞在していた私達は、この日は解散となった。

またいつか、この4人でどこかに行こうという約束をして。


「楽しかったねーっ!」


家へと向かう帰り道。

夕日が沈みかけ、空が赤く染まっている中、私はすっかり打ち解けてしまった高遠くんに飛び切りの笑顔で笑いかけていた。


『ぁあ、そうだな。…特にアイツらが。』

「ふふっ、そうだねっ」


華ちゃんと久松くんは地元が一緒で私達とは真逆の方向で、今日の朝電車で高遠くんを見かけたことから私と高遠くんの帰る方向が同じだということは簡単に分かりきっていたことで、駅前で華ちゃんと久松くんとはお別れになった。

高遠くんに聞いてみれば、降りる駅も一緒で、住んでいるのが私の隣町だと知ってビックリ。

こうして、家まで2人並んで歩いて帰ることになったのだ。


「久松くんって、華ちゃんのことが好きなのかなー?」


ファミレスでご飯を食べているとき、チーズハンバーグをモグモグと食べていた久松くんに向いていた華ちゃんの食欲を示す目線。

食べる?と差し出されたチーズハンバーグが刺されたフォークを目の前にした華ちゃんは、いっ、いらないっ!と拒否していたけれど、真っ赤な顔で言われても説得力はなかった。

有無を言わせずむぐっと口にチーズハンバーグを突っ込まれた華ちゃんの可愛らしい顔は、一生忘れられそうにない。

恥ずかしそうに真っ赤な顔を俯かせてチーズハンバーグをモグモグと食べていた華ちゃんを、久松くんは優しい瞳で見つめていた。



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