身長差43センチのふたり。
「そんなことまでせんでよかよ!テレビでも見ときーよ!」
世話焼きなお兄ちゃんに恥ずかしさが募る。
家に友達が来ると、決まってお兄ちゃんが何でもかんでも介入してくるから嫌なのにー…。
『良いやん。お客様のもてなしは大事やろ?』
「それは私がやるけん、大丈夫っ。お兄ちゃんはもう休んどき!」
『もう、心配性だなー、雛乃は。』
どっちが!!
私の言葉に全く耳を貸さないお兄ちゃんは、笑顔で皆の前にコップを配っていた。
お兄ちゃんがいるから、皆口開かないし…!
皆は私とお兄ちゃんの会話を呆然と見るだけで、口出しする気配もない。
とにかく、ここからお兄ちゃんを追い出さねば、と思った私は、ずっとここに居座りそうな雰囲気を出しているお兄ちゃんの腕を引っ張る。
「これから勉強するき、もう――」
『あ、雛乃。昼ご飯、用意しとった?』
「…あっ、忘れた!」
お兄ちゃんの気の利いた言葉に、私は自分の失態に気付く。
やば、お昼ご飯は私の担当だったのに…っ!
『大丈夫、大丈夫。俺が作っちゃるけん、雛乃は皆と勉強しとき。…な?』
あわあわと焦りまくっている私に、お兄ちゃんは落ち着かせるように頭をなでてくれた。
「あ、ありがと。…じゃぁ、頼みます。」
『はい、頼まれました。それじゃ、勉強頑張ってなー。』
皆に笑顔を向けて手をヒラヒラと振って、お兄ちゃんは部屋から去っていった。