身長差43センチのふたり。



『ううん。私、中学の時にさ…宏太に言われたの。華は妹みたいな存在だって。』

「えっ……、華ちゃん、久松くんに告白したの?」


ボソッと切ない声で久松くんに言われたことを話す華ちゃんに驚いて、私は高遠くんから華ちゃんへと視線を移す。

久松くんを見つめたままの華ちゃんの表情は、今までに見たこともないくらい切なさを帯びていて、どれだけ久松くんのことを想っているのかが伝わってくる。


『告白はしてない。でも、そう言われたの。』

「……そっ、かぁ…。」


告白もせずに、久松くんの思いを知った時の華ちゃんは何を思ったんだろう。

あまりにも切な過ぎる華ちゃんの想いは、私にはよく分からなかった。

好きな人に振り向いてもらえない苦しさを、私はこれから知っていくことになるのかな。

私は高遠くんに華ちゃんみたいな焦がれた想いを抱くのかな。そう思うと、心が少し苦しくなるのを感じた。



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