優しさに包まれて
『そんな顔しないで。優希と初めて逢ったあの日から、俺は優希以外の女を好きになってないんだから…。』

そう言って、私を抱きしめた部長。

部長の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きつく。

『嬉しいです。私も部長と初めて逢ったあの日、部長を好きになったから。でも……………。』

『ん?』

部長は、抱き締める力を弱めて、私の顔を覗きこんだ。

私は、深呼吸してから、

『薬指のリングを見て、諦めなきゃいけないんだって…。久しぶりに恋をしたのに、その瞬間に失恋しちゃったって…。だから、こうして部長に抱きしめてもらえたりキスしてもらえたり、好きって言ってもらえることが夢みたいです。お互いに、同じ気持ちだったなんて。本当に嬉しいです。』



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