私の決心
結局少々渋る部長を説き伏せて、最初に見たピンク系のカーテンにした。

「ここで見ているよりずっとおとなしいピンクに感じますよ。」

自分の意見が通って私はニコニコだ。

「お前の意見を取り入れたって事の意味は分かってるんだろうな?」

部長の家でカーテンを取り換えていると、部長は目をくるくるさせながら言う。

「お前の好みがこの家に入ってくるのは、正直俺にとっては喜ばしい事なんだけどな。」

とても回りくどいけど、私にだって部長の言いたい事は分かっている。

返事はまだ求められていないけど。

「そういえば、園田の方はどうなっているんだ? 最近、園田は橋本にかなり攻めているみたいだが?」

「そう見えます?」

私は部長の顔を困ったように眺める。

「付き合おうって告白されちゃいましたよ。40歳の私が。」
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