私の決心
手をつないで、お互いが支え合っているように見えるその姿にキュンときた。

完全に老夫婦との距離を確認してから

「部長、ウソはダメですよ。」

私は笑いながら言った。

「まあ、次に会っても困らないウソだろう?一人で歩いていても、おかしくないし。いろいろ詮索されるのも大変だし。それに…。」

部長は私の顔を覗き込むと笑った。

「先の事はどうなるか分からないしな。」

どういう受け取り方をしていいのか、分からなかった。

先の事って?

ちょっと戸惑いぎみの私は、首を傾げた。

そこに伸びてきた部長の左手が、スッと私の右手を取った。

「もっと恋人らしく見えるかな?ちょっと疲れてきたんだろう?」

クスクス笑いながら、引っ張る部長。
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