私の決心
「すいません。私がうっかりしていました。」

私が頭を下げていると、

「そんな事をしている暇があったら、あとの残りの分をよその問屋でそろえる算段をしろ!」

向こうから武田部長が叫ぶ。

「橋本、片っ端から電話しろ。」

武田部長はリストの束を持ってきた。

「はい!」

私はリストを覗き込むと、多くの在庫を抱えていそうな問屋から電話をかけ始めた。


「何とかなりました。すいません、私のミスです。」

処理を終え、隣の部署でしっかりしぼられた私は、今武田部長のデスクの前で頭を下げている。

定時はとうに過ぎて、時計は10時を少し過ぎた頃。

「武田部長、リストありがとうございました。どれだけ助かったか…。 あれがなければこんなに早く解決しませんでした。」

私は溜息をつく。
< 6 / 141 >

この作品をシェア

pagetop