私の決心
家に帰って暗い部屋の中に座り込んで、どれくらいの時間がたったんだろう。

これが20代の頃なら、何も考えずに部長の胸に飛び込んでいただろう。

でも、この歳になるとそう物事は簡単には進まない。

「子供か…。」

確かに部長の言う通り。

一緒に居る事にこだわるのなら、わざわざ結婚をしなくてもこのままお付き合いをしていくという方法もある。

でも部長は子供を産んでほしいという。

それは私のすべてを部長に委ねる事になる。

そんな事をしなくたって、もう私は一人で生きていけるだけの基盤はある。

マンションの頭金はすでに用意できるだろう。

でもそんな事より私は今更他人と生活を共にしていけるのだろうか。

気持ちよりも現実ばかりが私の頭を駆け巡っている。

するとスマホが着信を告げる。
< 86 / 141 >

この作品をシェア

pagetop