私の決心
園田君はきょろきょろと自分のデスク周りを見ている。

私は自分のデスクへ行くと、やりかけになっていた資料に目を留めた。

「園田君、少しだけ時間頂戴。これ、切りの良い所までチェックするから。」

「良いですよ。俺も確認に少しかかりそうです。」

二人ともそれぞれのデスクで資料のにらめっこが始まった。

いつもと違って静かなオフィス。

あのまま昼食に行ってもお互い気まずいだけだ。

ここで時間を過ごして、二人の空気を変えよう。

先に終わったらしい園田君が廊下へ出て行ったようだ。

何となく気にしていたが、私も集中していたため声をかけなかった。

「課長。」

私の頭の上で声がする。

園田君の声に顔を上げる。

「ちょ…っ、と…。」
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