私の決心
園田君の顔が近づいてきたかと思うと、そのままキスされた。

驚いた表情のままの私に唇を離した園田君は

「課長、キスは目を閉じるもんですよ。やり方も忘れちゃったんですか?」

と余裕の表情でニッコリと笑う。

「そうかもね。」

私は何故だか冷静に園田君を見た。

何でこんなに落ち着いちゃってるんだろう、私。

「だからこんな事しちゃいけないんじゃない?」

どうしてだろう、あくまで園田君には上司になってしまうみたい。

「俺はずっと橋本課長を見てきました。正直、初めは女の上司に就くなんてツイてないと思いました。でもあなたは違った。仕事ではかなわないと思った。だから頑張って認めてもらおうと必死にやってきました。その尊敬の気持ちがすぐに好意に変わっていくのが、自分でもすぐに分かりました。男の上司にはない柔らかさ、気遣いと言うんでしょうか。それに最近プラスされて色気というか、大人としての余裕があふれてくるようになった。…その理由は武田部長なんでしょう?」

ドキッとして園田君を見つめる。
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