三角の距離
-翔side-


昼休み。



ひろきに、話あるからと呼ばれて屋上に向かう。




ガチャ。



ドアをあければすでにひろきがいた。




「ひろき。」




屋上にあるベンチに座っていたひろきがふりかえる。




「早かったね。座って?」




言われるがままに隣に座る。




「ふっかはさ、このままでいいの?」




唐突にそう聞かれて、すぐにななみのことだとわかったが




「なんのこと?」




と聞き返した。




「わかってんだろ?はぐらかすなよ。真剣なんだ。真面目に聞いて。」




真っ直ぐに俺を見て大事な何かを伝えようとしていた。




「いいよ俺は。お前らが、ななみが幸せなら。」




「良くねぇよ!ふざけんな!」




バッと立ち上がって怒鳴った。




「本当は

『俺がななみを幸せにするはずだったのに。』

って思ってんだろ。後悔してんだろ?だったらそう言えよ!

なんで何も言わないんだよ。なんで、強がるんだよ…。」




うん。



思ってる。



強がってる。



後悔してるよ。



だから悔しいのは俺。



なのに、どうしてお前がそんな顔すんの?



ななみは、お前を選んだっていうのに…。

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