三角の距離
ガラガラッ




「はぁはぁ。翔…。」




息を切らして入った教室。



窓際の席で外を眺めていた翔は夕日のせいでオレンジ色だった。



私の声に振り向いた翔はどこか悲しそうな、でも嬉しそうに笑った。



その顔が懐かしくて、あったかくて、涙が溢れた。




「しょ…ぉ。」




翔は何も言わず私を抱きしめてくれた。



優しく包み込むように。



会いたかった。



話したかった。



このぬくもりが欲しかった。



今更だけど気づいたよ。






翔、好き。大好き。

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