好きを百万回。


『責任者〜〜、キミんとこの大事なお嬢ちゃん引き取りに来て〜』

「はあ?」
いきなりかかってきた電話。

『酔っ払って今オレの膝枕で熟睡中なんや。回収無理そうならオレが責任持ってホテルの部屋で朝まで面倒みるけどね』

「・・・・・すぐ行く」

取引先と課長のお供で忘年会だったオレは折田会長に呼び出されたことにして、課長に断り中座させて貰った。

結弦に呼び出されたSホテルのロビーに行くと、ソファーに座っている結絃と折田会長の姿がすぐに目に入った。

「野波くん、堪忍やで」

会長が申し訳なさそうに頭を下げる。

結弦の膝に頭を置いて気持ち良さそうに眠るこまり。

「水と間違えてオレの日本酒を一気飲みしよった。食事が終わってご馳走様でしたて言うて3秒で寝落ちや」

「日本酒て、あのキッツイやつか」
結弦を睨み付ける。
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