好きを百万回。


どんどん不安になってきた。
前を歩く野波さんの背広の袖を控え目に引っ張る。

「ん?」
野波さんが腰を屈めてわたしの方に顔を寄せてくる。近い近い近いーーーーー!

「こっ・・・・・ここってカード使えますか?わたしあんまり現金持ってなくて・・・・・」
声をひそめて聞く。

「ぶっ・・・・・」

野波さんの笑いが止まらない。

「木下さん面白過ぎる」

何が彼のツボだったんだろう。部屋に入って座ってからも続いている。

「野波くんはどないしたんや?」

「折田さん、彼女支払いの心配してるんですよ」

「野波さん!」
なんでバラしちゃうんだろう。

「あははは、こまりちゃんは素直なええ子やなあ。ますます好きになったわ。こういうときは年上に黙って奢られとったらええ」
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