夢追う私たち

「朝から夜中近くまで、夢に向かって頑張ってるやつに、よくもそんなことができるな。そうやって、人の気持ちを踏みにじるような事しかできないやつに、ここの料理を食べる資格はねぇ!」

「っ…」

目にいっぱいの涙をためた美咲さん。

ガタッと席を立ち走り去ろうとするが、その手を浅田さんが掴む。

「っ待て!ちゃんと謝れ。」

「~っ、ごめんなさいっ!!」

そう言うと、浅田さんの手を振りほどいて店を出ていってしまった。

「ったく。あ、お代…」

しまったぁーとか言ってるけど、そこじゃないでしょ。

「あのっ、いいんですか?美咲さん、もうカフェに来てくれないかもしれないですよ?」

「は?じゃあ、あのまま助けない方がよかったわけ?」

「そういうわけじゃ…」

「ほんっと素直じゃねぇよなぁ。お前。そーゆう時は何て言うんでしょーか。」

「あ…ありがとうございました…」

「よろしい。まぁ、変なクレームとかは付き物だからな。今後、どうしたらいいのか要勉強だな。それに、うちのコーヒーが美味いと思って来てるなら、改心してそのうちくるだろ。」

ぽんっと頭に手をやられ、一瞬撫でられたかと思うと
さーデザートデザート とか言いながら席に戻っていった。


私もその一言にハッとする。
私も戻らないとっ!!

触れられた部分が熱くて…

ドキドキが止まんない…。
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