初恋は一言から
「さあ着いたよ」

刹戯の声で車を降りる。

「やっと解放された…」

ため息交じりにつぶやく。

この暴走によって体力が大幅に削られた気がする。

あとメンタルも。

「久しぶりのアジトに到着っと」

真輝音先輩の声がする。

なんだか元気のない感じに聞こえるのは気のせいだろうか…?

「そんなことないでしょ」

芹先輩がボソッと言う。

そりゃそうだよな。

そんなに長い間来ていないわけないでしょうよ。

しかも寮だし。

「ほらほら入った入った‼︎時間過ぎてんでしょ」

刹戯が後ろからグイグイ押してくる。

イテェよおい。

案外力が強い。

痛い。本当に痛い。

怪力刹戯に押されてあたしたちはアジトへ入って行った。
< 101 / 107 >

この作品をシェア

pagetop